🧪️ UI の状態更新が複雑

✅ 問題の背景

状態によって表示や挙動が変わる UI では、状態管理がコードのあちこちに散らばりがちになる。
「あるフラグが true ならボタンを表示する」「入力中はローディングを表示する」などの処理が増えてくると、UI ロジックが煩雑になり、保守性が低下する。

このような設計では以下のような問題が発生しやすい：

• 状態の分岐が UI コンポーネントに直接書かれ、再利用しづらい
• 状態の変更と表示の更新が結びついておらず、バグが発生しやすい
• 状態の変化に応じた他コンポーネントの更新が追いにくい

✅ 解決の方向性

状態を State パターンで明示的に表現し、
状態の変更を Observer パターンで UI に通知する構成にする。

懸念点	採用するパターン
状態の変化に応じた挙動切替	State（状態パターン）
状態変更を他コンポーネントに通知	Observer（監視者パターン）

状態と表示更新を明確に分離し、拡張性と見通しの良い UI を構築する。

✅ パターンの連携

役割	実装例
状態管理	FormState（State）
各状態の定義	IdleState, SubmittingState など（ConcreteState）
UI 更新通知元	FormController（Subject）
UI 表示の更新先	FormView（Observer）

State によって状態ごとの処理をまとめ、
その変化を Observer 経由で UI に伝えることで、UI 更新の一貫性とテスト性を高める。

✅ UML クラス図

✅ 解説

この構造では、フォームの状態（未入力中、送信中など）を FormState によって抽象化し、
その変更を FormController がトリガーとして UI に通知する。

この連携により：

• 状態による処理の分岐がクラス単位で分離される
• UI 側は状態変更を検知して自動で表示を切り替える
• 状態の追加・変更が UI 側の実装に影響しにくくなる

という保守性の高い UI 管理が実現する。

✅ 実務での利点と適用例

• ✅ 状態の追加や切り替えに対して拡張しやすくなる
• ✅ 画面側で複雑な条件分岐を持たずに済む
• ✅ ローディング中／完了／エラーなどの状態が明確に分けられる

フォーム UI、ダッシュボード、ステップ付きウィザード、モーダルなど、状態によって UI 表示が変化する場面に非常に有効。

✅ まとめ

• State によって状態ごとの処理をクラスで明確に分離できる
• Observer により UI への更新通知を効率的に実装できる
• 状態の増加や UI の複雑化にも耐えうる柔軟な構造となる

状態と UI を疎結合に保つことで、UI 更新の信頼性と見通しが格段に向上する。