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🧪️ API 呼び出しが重くて遅い

✅ 背景

外部 API との通信処理は、通信遅延やレスポンス待ちの影響で、システム全体のパフォーマンスを著しく低下させることがある。
同じようなデータを何度も取得するケースでは、無駄な呼び出しが繰り返されていることも多い。

よくある課題:

  • 毎回 API を呼び出していてパフォーマンスが悪い
  • 一部のレスポンスデータが使い回しできるにもかかわらずキャッシュされていない
  • 呼び出し元での制御が煩雑で、共通化できていない

✅ 解決の方向性

Proxyパターンで API 呼び出しの前段にキャッシュ付きの仲介層を設け、
Flyweightパターンで共通部分(テンプレート、構造など)を共有してメモリ消費も抑える。

解決したい関心事適用パターン
遅延評価・アクセス制御Proxy
データ構造の共有Flyweight

✅ パターンの併用構造

役割実装例
API アクセス対象RealApiClient(実体)
代理層ApiProxy(キャッシュ付き)
共有構造ApiTemplate(不変のテンプレート)
可変データApiResponse(ユーザー毎に異なる)
  • Proxy によって呼び出し制御やキャッシュが可能に
  • Flyweight によって、共通構造を共有しリソース効率を向上

✅ UML クラス図

✅ 解説

この設計では以下のように責務を分離している:

  • ApiProxy がキャッシュと呼び出し制御を担当(Proxy)
  • RealApiClient は実際の外部 API との通信を担当
  • ApiTemplate は変化しない共通部分を保持(Flyweight)
  • ApiResponse が可変データとテンプレートを合成

このように、アクセス制御と構造共有をそれぞれのパターンに分担させることで、
柔軟かつ効率的な API 連携が可能となる。

✅ 実務での利点と適用例

  • ✅ 同じ ID のデータを頻繁に取得するようなアプリでキャッシュ効果が大きい
  • ✅ テンプレートやフォーマットが共通のレスポンス形式に最適
  • ✅ API 呼び出し回数の削減だけでなく、UI 構築側の再利用性も高められる

例)

  • プロフィール情報やカテゴリ情報などの読み取り専用 API
  • ダッシュボードでの共通カードレイアウト表示
  • コンテンツ配信システムなどでの共通テンプレート利用

✅ まとめ

  • Proxyで呼び出し前にキャッシュや遅延評価を実現
  • Flyweightで共通構造を共有し、軽量かつ効率的な設計に
  • API 呼び出しが重くなりがちなシーンで有効な組み合わせ構成
  • 通信の最適化と UI 側の再利用性向上を両立できる設計パターン構成

重い API アクセスを適切にラップし、共通構造を共有するこの設計は、高負荷環境でも安定性と拡張性を両立させる有効なアプローチである。