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パターン同士の違いを整理する

✅ 比較の目的

デザインパターンには、構造や目的が似ているパターンがいくつも存在する。
この章では、それらのパターンを対比しながら並列的に比較し、設計時にどちらを選ぶべきかの判断基準を明確にすることを目的とする。

たとえば以下のような疑問を持ったことはないだろうか?

  • 「Strategy と Template Method、どう違うの?」
  • 「Adapter でも Bridge でも、構造は似ていないか?」
  • 「Command って Strategy の一種じゃないのか?」

これらに答えるために、本章では「構造」「柔軟性」「再利用性」「実行時の切り替え可否」「テストしやすさ」などの観点から整理を行う。

✅ 本章の内容と構成

この章では、以下のような パターンの比較ペア(全 10 組) を取り上げる:

  • Strategy vs Template Method
  • Adapter vs Bridge
  • Factory Method vs Abstract Factory
  • Decorator vs Proxy
  • State vs Strategy
  • Command vs Strategy
  • Observer vs Mediator
  • Proxy vs Facade
  • Singleton vs Dependency Injection
  • Command vs Template Method

各ページは、以下のような観点に基づいて構成されている:

  • ✅ 比較の目的
  • ✅ 比較の観点
  • ✅ 類似点
  • ✅ 決定的な違い
  • ✅ 選び分けの判断軸
  • ✅ UML クラス図(各パターンの代表構造)
  • ✅ 実務でのヒント
  • ✅ まとめ

✅ 活用のヒント

本章は、以下のような場面での活用を想定している:

  • 設計レビューでパターン選定の判断軸を整理したいとき
  • パターン名は知っているが、違いを正確に説明したいとき
  • チームメンバーに設計意図を伝えたいときの補助資料として

コードレベルのリファクタリングは行わず、構造や意図の違いにフォーカスしている点も特徴である。


この章を通じて、パターンの選び方を言語化できるようになることを目指す。
単なる知識の習得ではなく、設計における判断力と説明力を強化する。