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🧩 SOA(Service-Oriented Architecture)

✅ このスタイルの概要

企業システムを「サービス」の集合として構築する、マイクロサービス以前のサービス分割アプローチ。

✅ 解決しようとした問題

  • 企業内のシステムがサイロ化し連携できない
  • 統合基盤(ESB)なしでの連携が非常に困難
  • 重厚なエンタープライズ連携を標準化したい

✅ 基本思想・ルール

  • ESB(Enterprise Service Bus)による統合
  • SOAP / WSDL / XML による厳格な契約
  • サービスカタログ管理
  • ガバナンス重視の設計

概念図(Conceptual Diagram)

✅ 得意なアプリケーション

  • 大企業の基幹系統合
  • 業務プロセスの長期安定運用
  • 変更頻度が低く、ガバナンスが強い領域

❌ 不向きなケース

  • 変化の速い Web プロダクト
  • 開発速度と柔軟性が重要な領域
  • 軽量 API(REST/gRPC)で十分な場合

✅ 歴史

  • 2000 年代に企業 IT の中心として普及
  • REST / Microservices により軽量化が進み、現在は限定領域で継続

✅ 関連スタイル

  • Microservices:SOA の軽量版として発展
  • API Gateway:SOA の「入口」をモダン化したものとして対応

✅ 代表的なフレームワーク

  • Oracle SOA Suite / IBM WebSphere ESB
    企業 IT で長く使われた SOA プラットフォーム。

  • WS-*(SOAP / WSDL)対応ミドルウェア
    当時の SOA 標準を支えた通信基盤。

  • BizTalk Server
    エンタープライズ統合のための SOA 実装。

✅ このスタイルを支えるデザインパターン

  • Facade
    ESB がサービス全体の入り口として機能。

  • Mediator
    ESB が複数システム間の連携を調停。

  • Adapter
    レガシーシステムを SOAP/WSDL で包む際に必須。

  • Proxy
    メッセージのバリデーション/セキュリティ適用。

✅ まとめ

SOA はエンタープライズ IT の文脈では依然重要で、
金融・基幹系など高ガバナンス領域に特化したアーキテクチャ である。