🧩 Edge Architecture
✅ このスタイルの概要
ユーザーに近い“エッジ”で処理を行い、レイテンシ削減や分散実行を実現する構造スタイル。
✅ 解決しようとした問題
- グローバルユーザーによるレイテンシ問題
- 中央集権サーバの負荷集中
- IoT / モバイルの増加によるデータ爆発
✅ 基本思想・ルール
- CDN / Edge Functions / Worker による分散実行
- ユーザー近傍での認証・キャッシュ・計算
- 中央サーバとの役割分担(オフロード)
概念図(Conceptual Diagram)
✅ 得意なアプリケーション
- グローバルに展開する Web サービス
- IoT デバイスのローカル前処理
- 低レイテンシが重要なアプリケーション
❌ 不向きなケース
- エッジに置く処理が多すぎる(複雑化)
- 厳しいデータガバナンスがあり分散できない場合
✅ 歴史
- CDN による配信最適化から発展
- Cloudflare Workers / Vercel Edge Functions により急速に普及
✅ 関連スタイル
- Serverless:エッジ FaaS との共通部分
- Microservices:分散処理の方向性として親和性あり
✅ 代表的なフレームワーク
-
Cloudflare Workers / D1 / KV / R2
代表的な Edge Computing 環境。 -
Vercel Edge Functions
SSR / Middleware をエッジに配置可能。 -
Fastly Compute@Edge
高速 Web 配信とエッジ実行。 -
Akamai EdgeWorkers
CDN から進化したエッジ処理基盤。
✅ このスタイルを支えるデザインパターン
-
Proxy
エッジで認証・キャッシュ・フィルタリングを行う。 -
Facade
エッジ API がバックエンドを抽象化。 -
Strategy
地理・ユーザー種別ごとのルーティング戦略。 -
Observer
リクエストイベントをトリガーに処理。
✅ まとめ
Edge Architecture は、
- レイテンシ削減
- グローバル分散
- 中央サーバの負荷分散
を同時に狙うための構造スタイルである。
一方で、
- デプロイ面での複雑さ
- ログ・トレースの分散
- データガバナンスやリージョン制約
といった新しい課題も生まれる。
クラウドフロントエンドや API の設計時には、
どこまでをエッジに寄せ、どこからをオリジンに任せるか を意識的に設計することが重要である。